
円安で儲かるのは誰なのか。“輸出立国”の昔話を家計に押し付ける限界
記事は、長期的な円安の背景に日米金利差だけでなく、日本企業の競争力低下があると論じています。円安は輸出企業の利益を押し上げる一方、輸入価格を通じて家計や中小企業の負担を増やすと指摘しました。
2025年8月時点の円の実質価値は半世紀前より平均40%低く、海外生産の拡大で円安による輸出増の効果も薄れたとしています。利上げや為替介入だけでなく、産業の競争力を立て直す必要があるとの主張です。
円安は日本の輸出業者の利益と株価を押し上げるかもしれないが、消費者や労働者や中小企業にとっては重荷になる。
円の実質価値は、半世紀前に比べ平均40パーセント下がっていた。
日本企業が生産拠点を海外に移すほど、円安によって得られる輸出額の増加が少なくなるのだ。
出典:「円安は日本にとってプラス」は時代遅れ…それでも方針転換しない高市首相が国民より必死で守りたいもの(プレジデントオンライン) – Yahoo!ニュース
結論から言えば、「円安なら輸出企業が儲かるから日本も得をする」という説明は、家計のレシートの前ではもう説得力がありません。海外生産が増え、輸入する食料やエネルギーの値上がりが生活と中小企業を直撃する今、株価や大企業の円換算利益だけで国全体の勝ち負けを語るのは雑すぎます。ただし、円高へ動けばすべて解決するわけでもありません。急な利上げは住宅ローンや企業借入を重くし、為替介入だけでは構造的な競争力低下を治せないでしょう。政府と日銀に必要なのは、望ましい為替水準を断言することではなく、実質賃金、輸入物価、中小企業の価格転嫁、国内投資がどう変わったかを同じ表で示すことです。そのうえで研究開発、人材育成、エネルギー調達を立て直し、通貨安に頼らなくても稼げる産業を増やす。円安を政策の成果として自慢する前に、誰が利益を得て誰が負担したかを公開すべきです。
