
食料品1%は僅か2年間、その後は7%戻す“減税ジェットコースター”
政府は来年4月から食料品の消費税率を1%に下げ、残る1%分を低中所得者に給付して「実質ゼロ」とする方針を閣議決定しました。成立すれば、1989年の消費税導入後で初めての税率引き下げとなります。
一方で、減税分が価格へ反映されない可能性、年間5兆円の財源、レジや値札変更の負担、2年後に税率を1%から8%へ戻す際の消費冷え込みなど、出口まで含めた課題が残っています。
政府は来年4月から、食料品の消費税を1%に引き下げ、残り1%分を低中所得者に給付することで、食料品の消費税を『実質ゼロ』とする方針を閣議決定した。
年収200万円以下の世帯では年間約4万円の負担軽減にとどまる一方、年収1500万円を超える世帯では約7万7000円の負担軽減となることが分かった。
食料品の消費税減税で穴があく財源は年間5兆円。
ただ、1%から元の8%に戻すというのは7%の増税を行うことに他ならない。
結論として、食料品の税率を下げるなら、家計で本当に安くなったかと、2年後にどう戻すかを同時に示さなければ不十分です。7%分の減税は分かりやすい一方、原料費、人件費、包装資材、物流費が上がる店に価格据え置きを強いれば、事業者の負担へ付け替わるだけです。富裕層ほど金額ベースの恩恵が大きい問題もあり、低中所得者への給付をどう届けるかが政策の肝でしょう。それでも選挙で掲げた公約を実行し、効果を検証する意味はあります。問題は年間5兆円の穴を何で埋め、2029年に1%から8%へ戻す際の消費冷え込みをどう抑えるかです。「赤字国債に頼らない」という掛け声だけでなく、廃止する優遇税制や削る基金を金額付きで示すべきです。減税を祝う前に、出口まで含めた家計の総額で得か損かを見せてほしいです。
