岩屋毅前外務大臣が9月29日、日本企業の幹部ら約50人を率いて北京を訪れ、中国の何立峰副首相や王毅外相と会談しました。高市総理の台湾有事をめぐる発言で日中関係が冷え込むなか、中国側は経済交流に前向きな姿勢を見せつつ、台湾問題では厳しい立場を示しました。
岩屋氏の訪中をめぐり、記事は中国側の対応を「異例の厚遇」と紹介しています。専門家は中国経済の事情が関係改善への動きにつながっている可能性を指摘していますが、中国側の狙いが確定したわけではありません。
「日本企業の幹部ら約50人を率いての訪中でした。」
「中国側から厳しくクギをさされたのが「台湾問題」です。」
岩屋氏の訪中は、対話の窓口を残す機会としては意味があります。ただ、握手できたことと、日本側に有利な条件を引き出せたことは別です。中国側が経済交流に前向きでも、台湾をめぐる立場は変えていません。会談を関係改善の成果として急いで宣伝するより、何を話し、何が一致せず、今後の交渉にどうつなげるのかを丁寧に示すべきでしょう。
一方で、関係が厳しいからこそ民間の往来まで一律に閉ざせば、企業活動や人的交流にも負担が及びます。安全保障上の懸念を脇に置かず、経済面の実利も見失わない。その両立を求められる場面です。岩屋氏が前外相として持つ影響力を考えれば、政府の方針との関係も分かる形で説明してほしいところです。相手の厚遇を評価する前に、日本側が守る線と得たい成果を明確にする。それが今回の訪中を判断する物差しだと思います。

