
人手不足倒産240件で過去最多 「賃上げが悪い」で済まない中小企業の限界
人手不足に関連する倒産が2026年度上半期に240件となり、東京商工リサーチの調査開始以来、年度上半期では過去最多を更新しました。前年同期より17.0%増え、内訳では人件費高騰による倒産が130件と半数超を占めました。
人手不足倒産は資本金1000万円未満の企業が159件で、サービス業と建設業に多く見られます。調査は負債1000万円以上の倒産を対象とし、求人難、従業員の退職、人件費高騰を関連要因として集計しています。
「人手不足」倒産は、240件(前年同期比17.0%増)と過去最多を記録した。
「人件費高騰」が130件(同75.6%増)と1.7倍に大幅に増加
出典:年度上半期の「人手不足」倒産 過去最多の240件 深刻な“賃上げ疲れ”、『賃上げ倒産』が1.7倍に増加(東京商工リサーチ) – Yahoo!ニュース
人手不足倒産を「賃上げのせい」と片付けると、肝心の問題を見落とします。人を確保するための賃金を払えない企業が増えているのは事実ですが、値付けの見直しや生産性向上が難しい取引構造まで賃金だけの責任にはできません。もちろん、すべての企業を公費で支え続けるのも現実的ではないでしょう。仕事を続ける人と地域に必要なサービスをどう守るかまで含めた議論が必要です。
中小企業には価格転嫁の余地が小さい業種もあり、急な人件費上昇が資金繰りを圧迫することはあります。一方で、低賃金に頼るだけでは採用難や退職が続き、事業そのものが立ち行かなくなります。発注側は適正な価格を受け入れ、企業は業務の組み替えや待遇の改善を進める。倒産件数の増加を、賃上げを止める口実にするのではなく、事業の持続可能性を問い直す材料にすべきです。
