トラック運送業界の人手不足を巡り、中小運送会社のベテランドライバーが、求人に応募してくる人は70代のこともあり、若い人材を確保しにくいと語りました。本人の月の手取りは、最も稼いでいた時期より20~30万円ほど少ないといいます。
2024年に始まった時間外労働の上限規制には、過労や事故を防ぐ意義があります。一方、取材に応じたベテランと30代のドライバーからは、もっと働いて収入を増やしたいという声も出ています。
若い人がなかなか入ってこないんです。募集しても70代の人だったりする。
男性によると、自身が最も稼いでいた時期と比べると、現在の月の手取りは「20〜30万円ほど少ない」という。
そもそも、残業代に頼らなければ生活に必要な収入を得られない賃金構造になっているのであれば、それ自体が解決すべき問題だ。
トラック運転手の人手不足を、労働時間の規制だけのせいにするのは違います。長時間運転を前提に稼ぐ仕組みへ戻せば、過労や事故の危険も戻ります。もっと働きたいという声は切実ですが、その声を残業の拡大だけで受け止めるのは、賃金の問題から目をそらすことになります。
この記事で語られた月20~30万円の手取り減は、一人の運転手が過去の最盛期と比べた数字です。業界全員に当てはめるべきではありません。それでも、若い人が入ってこないという現場の話と合わせれば、仕事に見合う収入をどう確保するかは避けられない課題です。
荷待ちや荷役の負担を減らし、運賃に必要な人件費を織り込める取引へ変えていくべきでしょう。物流は店頭に商品が並ぶまでの土台です。安全を削らずに稼げる仕事にしなければ、負担は運転手だけでなく、荷物を待つ側にも回ってきます。

