
名古屋市立小、集合写真を廃止。保護者7割が継続希望でも、校長判断で思い出ごと削除
名古屋市の市立小学校が、毎年撮影してきた学級の集合写真を今年度から廃止しました。全家庭へのアンケートでは約7割が継続を望み、221世帯が要望書に署名しましたが、校長はプライバシーや授業時間などを理由に方針を維持しています。
名古屋市教育委員会は学級写真の廃止を指導しておらず、判断は学校長によるものと説明しています。一方で、学校行事などのスナップ写真は今後も撮影するとされ、線引きの分かりにくさも残ります。
名古屋市の市立小学校で、教員と子供たちの集合写真(学級写真)の廃止が打ち出され、保護者から継続を求める声が上がっている。
校長は廃止の理由とし、プライバシー保護▽全撮影に約3時間かかるので授業を優先したい▽欠席者への配慮――を挙げた。
市教委の義務教育課は、事件を受けての学級写真に関する指導は「していない」とする。また、「廃止は学校長の判断で、市教委の方針ではない」という。
名古屋市立小の問題は、写真を残すか消すかより、保護者7割の希望に対して説明が追いついていない点です。プライバシー、欠席児童への配慮、教員の負担はいずれも無視できません。ただ、行事のスナップ写真は続けるのに学級写真だけをなくすなら、具体的にどの危険が減るのかを示さなければ納得は得にくいでしょう。
集合写真には、後年に同級生の顔や名前を確かめる記録としての価値があります。一方で撮影や配布を望まない家庭への配慮も必要です。全廃か継続かの二択にせず、参加の同意、写らない選択、配布先の限定、保管ルールの明確化など、リスクを下げる方法を検討できます。
校長に裁量があるとしても、裁量は対話を省く免許ではありません。廃止ありきで押し切るのではなく、学校が懸念を具体化し、保護者と代替策を比べて決めるべきです。思い出を守る話こそ、説明まで切り取ってはいけません。
