
米中、各300億ドル分の関税引き下げへ 「対立中」の二大国ほど実利はちゃっかり取る
米国と中国は、互いに約300億ドル、約4兆7000億円相当の輸入品を対象に関税を引き下げる計画を公表しました。米国側は中国製の家庭用品や玩具など77品目、中国側は米国産の食肉、穀物、石炭、医療機器など1619品目を対象に挙げています。
米中両国は、貿易休戦を1月まで延長し、年内に見込まれる追加の首脳会談を前により広い合意を目指します。ただし、今回の計600億ドル相当は、昨年の両国間のモノの貿易総額4150億ドルの一部で、輸出規制や台湾をめぐる対立は残ったままです。
米国と中国は、互いに約300億ドル(約4兆7000億円)相当の輸入品に対する関税を引き下げる計画の詳細を明らかにした。
計600億ドル相当の貿易を対象とする関税引き下げは、先週の習氏による首都ワシントンへの国賓訪問で得られた成果の中でも、最も具体的なものの一つだった。ただ、その規模は、両国が昨年やり取りしたモノの貿易総額4150億ドルの一部にすぎない。
相互措置の対象品目の約90%について、関税率を最恵国待遇税率まで引き下げる。
米中の関税引き下げは、仲直りというより、対立しながら儲かる部分だけ拾う現実的な取引です。600億ドルは全体から見れば限定的でも、米国は農産物の販路と消費者物価、中国は家庭用品や玩具の輸出という分かりやすい利益を取ります。大国ほど安全保障と商売を別勘定にし、握手できる場所ではさっさと握手するわけです。
日本が見るべきは、米中の笑顔に右往左往することではなく、自国の条件が数字で改善したかです。日米同盟は重要ですが、同盟を唱えるだけで関税も市場アクセスも有利になるとは限りません。今回の対象や実施時期は国内手続き次第で、成果を盛りすぎるのも禁物です。それでも具体的な品目表を出した米中に対し、日本政府も対米交渉の負担と見返りを検証可能な形で示すべきでしょう。
