
SUGIZOの反戦論に足りないもの――「巻き込まれない」だけでは国は守れない
SUGIZOが世界平和の日に長文を投稿し、外交を尽くすこと、軍事力より福祉・教育・医療へ税金を使うこと、憲法9条を守ることを政府と国民に訴えました。
「政府は臨戦体制で防衛力強化&武装力強化に力を注ぎ、血税を湯水のように使用する前に、必死で外交して相互理解を求めるべきではないか。」
「日本は絶対に戦争に巻き込まれてはならない。」
出典:【全文】「日本は絶対に戦争に巻き込まれてはならない」大物ミュージシャン、政府に長文呼びかけ(日刊スポーツ) – Yahoo!ニュース
SUGIZOの反戦論は願いとして正しい。しかし、願いだけでは国境も航路も守れません。外交と抑止は二者択一ではなく、話し合いを成立させる条件として備えがあり、備えを暴走させないために外交と文民統制があります。どちらか一方を悪と決めれば議論は止まります。
軍事費を福祉へ回せという主張にも、金額と優先順位の検証が要ります。際限のない装備拡大は論外ですが、攻撃を受けた時の防空、避難、同盟国との連携まで「好戦的」と一括りにすれば、平和主義は現場を持たない看板になってしまいます。政治は最悪の事態にも答えを用意すべきです。
有名人が反戦を語る価値は、沈黙を破り議論を始める点にあります。次に必要なのは「絶対に巻き込まれない」を唱えることではなく、どの外交を誰に働きかけ、何を抑止力として残し、税金をどこまで配分するのかという設計図です。拍手と反発の数より、その具体性を採点したいところです。
