
夫婦の性的同意を「義務」で消せるのか 拒否と離婚を混同するな
夫婦間の性行為を断ることと婚姻上の義務について、朝日新聞が家族法の研究者に聞いています。民法には夫婦の同居・協力・扶助の義務がありますが、性行為を義務とする条文はありません。一方、過去には性行為の不在を離婚判断の事情とした裁判例もあります。
夫婦間でも性的な同意が重要だという見方を踏まえ、取材を受けた教授は、拒否しただけで有責とすべきではないと述べています。個々の離婚紛争は、拒否の一点だけでなく夫婦のやりとりや背景を含めて判断されるという説明です。
「性行為については条文がありません。」
「拒否しただけで有責とされるべきではないと私は考えています。」
夫婦間でも、性行為に応じるかどうかはその都度本人が決めることで、「結婚したから義務」という一言で同意を飛ばしてはいけません。一方で、拒否された側の寂しさや、関係を続けられるかという悩みまで無かったことにするのも違います。行為を強いることと、価値観の違いから婚姻関係を見直すことは、別の問題として話す必要があります。
体調や出産、更年期、仕事の負担など、気持ちに影響する事情は人によって異なります。互いの希望を聞く場を作れればよいですが、話し合いそのものが圧力になる関係なら、第三者の支援を考える余地もあるでしょう。離婚の可否や責任は個別の事情によるもので、記事中の教授の見解だけで一律に決まる話ではありません。同意の尊重を出発点に、続け方も別れ方も対等に考えられる関係であるべきです。
